再会
4月末に、オランダ最後の4年間に教えた生徒たちが、ご両親と一緒に来日しました。2週間のバケーションです。
関西空港で、一年半ぶりに再会した時の感激は、素晴らしいものでした。慣れない日本で生活を始めた私に、つきまとっていたストレスが一気に吹き飛んで、人ってこんなに心から笑えるんだと、気づきました。そういえばこうやって笑っていたなあ、と思った瞬間、失ってしまっていた自分が戻ってきました。
5月4日、加古川の自宅まで来てくれて、ピアノ弾いてくれました。私のためにピアノを弾いて聴かせてあげよう、ということで、そのためにピアノの本も日本に持ってきてくれていたのです。その心遣いは、生きているってなんですごいんだろう、と感じさせてくれました。一つ一つの音がとてもとても深く、心を打ってくれました。同時に、天国のような、すべてが幸せに満たされている、今こことは全く別の世界に入り込んだようでした。
オランダにいた時、彼女たち、お母さんお父さんと、ピアノだけでなく、また言葉の壁をも超えて、心と心で対話をしていたように思います。難しい曲が発表会で上手くいった時の、ありがとう、って言ってくれた時の笑顔。お母さんが具合の悪くなったお母様(おばあさん)の世話をしていた時に、ふと私に流された涙。最後のレッスンで、姉妹3人でみんなで私のピアノに合わせて賛美歌を歌ってくれたこと。その後、最後の最後までずっとくっついてきて、私が乗るバス停まで一緒に来てくれたこと。別れの瞬間まで、こんなことが起こるなんて、全く想像さえできませんでした。
たとえ、毎週レッスンで会うことがなくなっても、たとえもう同じ国に住んでいなくても、私達は愛を分かち合える、そのことを、彼女らはその美しい魂で、こうやって私に教えてくれたのです。
彼女らにこの人生で出会えたこと、そして、これからも続いてゆくの心の交わりは、私に人生にきらきら光り続ける宝石です。